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おどるあほうの日々

おどるあほうの日々

22/04.1/ものぐるひぐさみ

◎路上日記・その22
2004年1月 
先日、「ものぐるひぐさみ」というお芝居に出演した。
(悪天候の中、観にきてくださった方々、ありがとうございます。)
脚本が大耳で知り合った皆川さんということもあり、稽古が始まる前から思い入れは強かったが、この芝居は思った以上にいろんな経験を与えてくれた。
 
とにかく、自分と向き合った1ヶ月だった。
本番初日に自分の楽しみに走りすぎて、演出家に「この公演の失敗の責任をとれ」とも言われた。
本番で目立った失敗をしたことがなかった私は、自分の未熟さとひとりよがりが作品の質を変えてしまう恐ろしさに初めて直面して、今までの自分の甘さを思い知った。
 
結局、自分に対するの「自信のなさ」が、どこか逃げ口上になっていた。

「どうせ私なんか」という卑屈さは、できないことの言い訳にもなる。

だが、作品に対する自分の役割を冷静に捉えて、そして作品に向き合って、作品を生かすため、作品にかかわっているみんなを生かすため、
最大限に努力して、それが結局自分を生かすことにつながる、そんな関わりがしたければ、卑屈な自分ではだめなのだ。
 
はじめから自分を低いところに置いてしまうと、人の言っている言葉の裏を必要以上に感じすぎてしまう。
そこにあるのはかんぐりと思い込み。そこから何も生まれない。私自身が生きることができない。

2日目、3日目の公演でも、自分の役割をきちんと果たせたかどうかは、結局のところ自分ではわからない。
見てくださった人々、関わった人々それぞれにゆだねるしかない。未熟さはあいかわらずで、出来なかったこともいっぱいあった。

ただ、その時点で私が理解できた様々なことを、舞台にのせようという努力はした。それは、あきらめなかった。

そして、いつも心のどこかにあった「認められたい」というあせりが減り、「よくもわるくも今の自分はこの程度」という自己認識がやってきた。

この経験を生かしたい。次の自分はどこまでやれるか試したい。そのために、私がするべきことは、自分の病気ときちんと向き合うことではないかと、素直に思った。

あせりから逃れて、初めて、自分の体をみつめる余裕が出た。


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